| 浮腫の発生
妊娠してから出産までの間、子宮や胎盤、羊水、胎児、乳房の重量が増すほか、血管の内外や組織間の水分が増えるため、10kg以上も体重が増加します。血液中に増えた水分は血管の外に出やすく、こうして浮腫が発生します。大きくなった子宮が下大静脈や骨盤内の静脈を圧迫するので、通常の浮腫は下肢以外に現れることはありません。けれども、1週間に500g以上の体重増加があるとき、手がこわばったり指輪がきつくなる、顔を指で押すと痕がつく、あるいはまぶたが腫れぼったくなるなど、浮腫が全身におよぶことがあります。

浮腫の対策
負担の大きい作業や長時間にわたり同一姿勢を強いられる作業、特に、立って行う作業の時間を短くしましょう。全身の浮腫がひどいときは作業を中止して休養してください。こういう場合は、心臓や腎臓などの検査が必要かもしれません。
浮腫は妊娠中毒症とは無関係
かつて浮腫は、高血圧や蛋白尿とともに妊娠中毒症の徴候とされていました。たしかに、妊娠28週を過ぎると体重が増加するにつれて浮腫が現れてくるものです。しかしながら最近の多くの報告で、浮腫のある妊婦の方がむしろ浮腫のない妊婦よりも新生児の体重が大きく、2,500g以下の低体児が少ない、母児ともに元気であることが分かりました。したがって、従来の妊娠中毒症は今、「妊娠高血圧症候群」という新しい名で呼ばれています。単なる浮腫はまったく心配いらないのですが、妊娠28週未満で浮腫が発生した妊婦の3分の1は、後に高血圧や蛋白尿を合併するので注意しましょう。
体重増加のコントロールを
母体の体重が増えすぎると、胎児が大きくなって難産や帝王切開手術になりやすいので、浮腫よりも体重の増加の方が心配です。その目安は、妊娠前の体型によって異なります。体格指数BMI(body mass index)、つまり体重(kg)を身長(m)の2乗で割って得られる指数を基準にしてください。妊娠前のBMI指数が18未満をやせ型、18〜24を標準型、24以上を肥満型としたとき、妊娠前にやせ型であった妊婦は出産までにおよそ13.5kg、標準型は9kg、肥満型は7.2kgの増加が理想です。太り過ぎたと感じたときは、食事量ではなくウォーキングやインターロックなどの運動でカバーします。

|