医療法人社団 磯部レディースクリニック
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医療コラム
つわり
つわりの原因

 芽ぐむあるいは熟すことをつわ(兆)ると言い、これが「つわり」になりました。妊娠すると胎盤の絨毛組織からHCGというホルモンが分泌されて尿の妊娠反応が陽性になり、8〜12週の頃ピークに達します。HCGの値が高い、ふた子の妊娠やぶどう子(胞状奇胎)ではつわりが強いけれども、HCG値が低くて流産するときはつわり症状が軽いことが多いので、HCGホルモンがつわりの原因かもしれません。また、黄体ホルモンの作用で消化器の蠕動運動が低下して食物が胃や小腸・大腸に停留しやすくなる、あるいは、一時的に生じる甲状腺ホルモンの異常やビタミンB6の不足など、総合的なからだの変調がつわりなのでしょう。妊娠すると酸っぱいものが欲しくなる理由は、次のように説明されています。胎児の出す老廃物に含まれるフッ素が血液を酸性に変えるために、からだはこれを正常のアルカリの状態に戻そうとします。酸をアルカリに変えるには、みかんや梅干しを食べてクエン酸をとり込まなければなりません。
 結局、つわりは病気というほどの変化ではないので深く研究されていないのが現状です。

つわりの症状

 合起床時に吐くことが多いため、つわりは別名“朝の病気、morning sickness”と呼ばれます。軽く食べると良くなる一過性の「つわり」から、点滴による栄養補給や入院治療が必要な「妊娠悪阻」まで、症状はさまざまです。

胎児への影響
 妊娠の初期には、胎児は卵黄という栄養をもらっていますし、胎児に栄養を届ける臍帯や胎盤がまだつながっていませんから、気分が悪いのに無理に食べる必要はありません。けれども、あまりに母体の体重減少が激し過ぎると胎児の発育が遅れ、奇形のリスクも上昇します。また逆に、体重が減らないつわりでは巨大児の頻度が高くなります。結局、体重が少しばかり減るくらいのつわりが丁度良いと考えてください。

食事の工夫

 匂いのあまりきつくないものを選び、自分の好みにあったものを頻回に分けて少量ずつ、食べられるときに食べることが基本です。特に空腹時間が長いと症状が出やすいので、就寝前に軽い食事をとるようにしましょう。起床時に吐き気がしたら、とりあえずトーストやビスケット、リンゴを食べると気分が落ちつきます。冷たくてあっさりしたもの(そうめんや冷や奴など)の方が食べやすいはずです。料理を脂っこくせず、そして薄めの味付けを心がけましょう。食事の用意をしていると嘔気や嘔吐が起きやすいので、気分転換を兼ねての外食はおすすめです。医師に相談せずにつわりの薬(制吐剤)を飲んではいけません。食後すぐ歯をみがかないようにするのも嘔吐の予防になります。

気持ちのもち方

 母親になるという責任感が負担になったり、分娩に対する強い恐怖感などの心理的な要因にも大きく左右されます。この意味では、長男に嫁いだ長女には両家ともはじめての妊娠に対応しなければならないという重圧が加わるかもしれません。あるいは、周囲の援助が過剰になりやすい一人娘や末娘の初産婦につわりがひどくなる傾向があります。

妊娠悪阻のときは入院も必要
 いろいろ工夫してみても食事がとれないときは、医師の勧めに従って入院してください。治療の必要上、面会謝絶の期間があるかもしれませんが、それでもおよそ10日間の入院日数を見込めば十分です。

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